みのもんたさんに思う

2013年10月31日

みのもんたさんが実家の仕事から復帰して文化放送土曜午後の番組を持ってからずっと聴いているのでもう25、6年ぐらいになるか。バーに入って少し生活に疲れた女性に出会ってからの妄想を膨らませていく語りの緩急の自在さは、けだし絶妙、見事というほかありません。極限の下ネタに当時の局アナ藤木千穂が絶句しながらも「ハイハイ」と受け流すのもおもしい。3月になると硫黄島の栗林忠道陸軍大将の訣別電報を読み、6月には沖縄戦での大田実海軍少将の有名な訣別電報「沖縄県民斯ク戦ヘリ県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」を読み上げる。アナウンサーの基礎があり声も良いので聴きやすい。硬軟合わせテンポ良く歯切れいい話し振りに笑ったり感動したり。他の追随をゆるさないうまさです。只、長年聴いてきた者の特権として勝手に失礼ながら言わせてもらえば、今のアシスタントと合わなくてちぐはぐな印象になっている。前の安藤久美子も良かったが、たとえば井森美幸さんのような頭の回転が速く、気さくで、テンポよく話が出来る人であればもっとみのさんの魅力を最大に出せると思うのだが。
田中角栄が若い評論家の出世とアメリカの陰謀とのために表舞台から追い出された。テレビドラマの「時間ですよ」でそっくりさんが「まーそのー」と言いながら風呂に入っていた。こんなに愛された首相が、最初の一言から聴衆を魅了する政治家が現在までいたか。相手の人心を掌握する角栄節、笑いを与え、現実に振り向かせ、情を、夢を与え、結びをしっかり押さえる、それに先見力、行動力が備わってまさに「百年に一人の政治家」でした。退陣してから何度も政治の局面で角さんがいたらどうしただろうと思わせた。
みのさんと田中角栄、生い立ちは違っても話し手の名手でどこか似ている。
鳩山由紀夫を笑いものにする、小沢一郎をただ叩く、二人は辞めることはなかったのにその後消費税の話が急に出てきて民主党は崩壊した。鳩山由紀夫がイランに行くのは立派なことではないか。それを茶化し矮小化する方がおかしい。朝鮮学校には補助金を出さない島国根性のこせこせした国民性。まかり通る孫や三木谷の金儲けだけの論理。メディアによって作られる虚像、権力に取り入るどこがおもしろいのかタモリやたけし、その周りで動く輩たち。
みのさん、これからもその話術でそれらを吹き飛ばしてください。
小倉智昭が去り、平和を訴え軽妙な語り口で皆から愛された愛川欽也を無理に辞めさせ、そのうえみのさんを追いやって文化放送はどこに向かっているのでしょう。聴取者よりスポンサーを気にしてなさけない局です。吉田照美が出るずっと前から聴いてきた一人のファンとして残念です。
   米田正之

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