イスラム国を支持する

2014年09月15日

チェチェンでは人口の3分の2が殺されてもロシアに服従せず抵抗する。それをテロと呼ぶ。何百万人が殺され広島、長崎で戦争犯罪の殺戮をされても尻尾を振っている民族からみればそうなるか。チェチェン人の誇りを忘れないその自尊心の高さを尊敬したい。
イスラム国がアメリカ人を殺害したと怒っているが、アメリカの攻撃によりバラバラになって死んだ女性や子供の無念を思えば悪はどちらにあるかは明白であろう。イスラム国の元はそこにあり、悪はどこか、本来どうあるべきかを教えてくれるイスラム国を私は支持する。たとえ今イスラム国がなくなってもすぐに別の勢力が台頭する。西側が作り出すのだから。倒されるべき政権に抵抗するのをテロというなら将来立場が逆になることもありえよう。
遠い国まで人を殺しに行くのはアメリカの軍需産業とグローバル企業の経済スタイルで何時ものことだが今回もイラクの中に持つ石油施設にイスラム国が迫って空爆が始まった。西側諸国の宣伝する蛮行も地域が戦争状態であることをあえて無視しているのか。平時にそれをやるとおかしいがより多くの殺人が正当の戦争をどこの国でもやってきたのではないか。
チンギス・ハーンは東ヨーロッパまで攻め入り、ヨーロッパ人は南米大陸の人々をそれこそ首を切りながら、虐殺しながら征服して行った。人は進歩もなく、歴史は繰り返す。テーブルでの話し合いで解決する日は来るのか。スンニ派もシーア派も西側が来るまでは対立することもなく平穏に暮らしていた。
和辻哲郎は世界の風土をアジアのモンスーン型、ヨーロッパの牧場型に対し中東を砂漠型と分け性格の特色を表した。豊かな自然に恵まれ、あるいは脅威の自然に対し受身になり主体性が乏しいモンスーン型や適度な自然をコントロールし人間に役立つように作り変えることが容易なため自発的、合理的になる牧場型と違い中東ではわずかな自然を勝ち取るため自然や他部族に戦いを臨み対抗的戦闘的な能動的性格になると説明した。そういう地域なのである。イラクがクエートに攻め込んだ時、クエートの王族は滅ぼされても仕方が無いという意見もあったが結局それを介入の口実にされた。紛争はその地域だけの問題である。利権を求めて遠い国からやって来るのがおかしい。
中東は三枚舌外交のイギリスやフランスにより恣意的に引かれた国境線により分断され、そういう国は王族から石油の利権を得ていた。
サイクス・ピコ協定から百年、また同じ間違いを繰り返している。固有の言語や歴史を共有し伝統に根ざした民族、国民の諸権利が保障された国家であれば認められ尊重されるべきではないのか。
かつての宗教間対立のアイルランドやクルド、チェチェン、チベット、ウイグルの分離独立運動、ルワンダ、コンゴの部族間対立、紛争は間違いなく人類滅亡の時まで起きている。仲裁や難民の救済は国連軍にまかせ関与しない仕組みを作るべきだろう。
反乱集団が一つの部族、国家をつくりそして穏健化してゆくのが人類の歴史ではなかったか。
よどみのなかに川の姿はないのである。
  米田正之

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