理想の中に希望を見る

2019年11月10日

三里塚闘争で戸村一作氏は初め非暴力を唱えるが機動隊から暴行を受け学生たちと組むことを決断する。理想はそれとして現実に立ち向かうには正しい判断であった。羽田沖に拡張する案もあった。今何事もないかのように羽田に国際線があることをどう説明するのか。国はどうして謝罪をしないのか。

17世紀から19世紀にかけてアフリカからアメリカに連れてこられた黒人たちは奴隷として暴力で支配され酷使や虐待は法律でも肯定されていた。人として扱われていない。現実の中で否応なく繰り返される苦しみの中でも希望を捨てないで生きた人々がいたとするなら神はどうして見捨てるだろう。解放され100年後キング牧師は演説し、その50年後アフリカ系の大統領が誕生する。人の心に差別は完全には消えなくても法律として制度としてそれは無くなった。誤りを認め、反省の意を示し、今後の道筋を明白にする事、理想を語り続ける事が大事なことは改めて指摘されるまでもない。

文科省は欧米の民主主義の制度を教えるから変だと思われるので一切それはなくして、国の議事録は作らない、黒塗りにする、機密文書は50年たっても100年たっても開示しないで権力者及びその取り巻きを守る、そして日本人は正直で礼儀正しい民族であると教えるといい。戦争に負けた時書類を5日も6日もかけて燃やし尽くして責任から逃れるのも美しい神の国を守るためと言うべきだろう。そのうち文句を言う人はいなくなる。

アフリカンアメリカン歴史文化博物館の設立に関わった人の言葉に接するにつけ根本的に違うものがあると感ずる。宗教からくるものだけではない倫理観には到底近づけない真似をすることができないものがある。厳しさと優しさの言葉に人として本質的な大事なものを見る。

「博物館の使命はアフリカンアメリカンの体験がこの国をいかに形作ってきたかを学ぶため。全ての人を喜んで迎える場所になること。そして私たちアメリカ人が何をしたか、またこれまで共に歴史という旅をしてきた中でどうやってここまでたどり着いたか。全てのアメリカ人がその理解を十分に高める場所となりより良い世界のため共に立ち全ての人のための自由、平等、正義の約束を確立すべく未来へ前進することです。」

  米田正之

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