歴史を主導するもの
2015年07月11日
まだ決まってはいないが軽減税率の有力な案として8%にするという。基本は0%ではないか。どうしてもいるのなら3%か5%に下げるべきだ。将来消費税が20%の時の8%というだろうがそのときは15%になっているだろう。軽減税率とは言えない。これでは対象者に現金を配る方がいいだろう。
オスプレイに何千億、新国立競技場に底なしの無駄なお金で何千億、オリンピックのメイン会場など江戸川区陸上競技場でおつりがくる位十分である。返上するのがいいのでは。フクシマで放射能を垂れ流し世界の環境を汚しているのにオリンピックをする資格があるのでしょうか。国会の一年生議員の給料がヒラリー・クリントン氏より高い。高いからみんな公務員になりたがる。どこかの国のように。儲かっている企業や富裕層に課税強化、やることは多い。中東では子供が戦争で殺され、世界中で貧困のため女の子が売られているのに宇宙では軽薄に無重力を楽しんでる。この無駄の代表のような宇宙開発は止めてもらいましょう。
生存権、幸福追求権、平等権を理念として制度は作られる。朝日訴訟、堀木訴訟は敗れたとはいえ、その後の社会保障制度を発展させていく。まだまだ理想には遠かったが目指そうとする意欲があった。
昭和33年の小松川高校事件では18才で同校定時制に通う抜群の秀才であった李珍宇はバラックに住む極限の貧困と朝鮮人差別の中犯罪に向かってしまう。徐々に人間的感情を蘇らす死刑囚に大岡昇平、木下順二ら文化人と被害者の遺族さえが助命請願運動を起こす。今同じことが起こればどうだろう。物質的な豊かさと心の貧しさを思い知らされる。
新幹線で燃えて消えた命。一人の阿修羅の憤激が周りを震撼させてもあまりにも残念で悔しいだろう。生活保護は当然の権利である。ドイツでは800万人が受けている。アメリカの中間層も貧困層に流れていると聞く。アメリカを真似るまたは真似させられる日本も同じ道を辿っていく。
不運の人たちはそれが多く沈黙であるゆえ歴史を主導することはないが、貧困が社会不安と戦争を生んできたのは歴史を見ればそれもまた事実である。
小松川高校の古い校舎はもうすでにない。そこにあるのは屈折を知らない生徒の屈託のない姿だけだ。事件のことなど誰も知らない。周りの住人でそれを憶えている人も少なくなっているだろう。だが差別はなくならない。アメリカの白人と黒人の対立がキング牧師の公民権運動を経ても無くならないのを見るまでもなく、沖縄に基地を押し付ける、ヘイトスピーチで事件の時は生まれてもいなかった若者が何が楽しいのか叫んでいる。正社員とパートさんが同じ仕事をしても大きく違う待遇、官僚や大企業の家族がきて修羅場になる災害時の避難所が想像できて東京に大震災が来ないことを祈るばかりです。かつて国鉄にあった一等車、二等車、三等車のような区別をつけましょう。
今この時代に貧困と差別が子供も含めて多くある。かつてそれを無くそうと努力した人が多くいた時代と違い現代のそれは危険な破滅へ向かう人を確実に増やしていく。
中国がガス田施設を造っているのがけしからんと大手メディアを使い言っているが領海内でなく日本も目の前に同じものを造ればいいだけでは。それより安保法案を有利にしたい意図があからさまで柳条湖事件ではないが何か企んでるのではないかと思えてくる。中国側をけしかけて騒動が起きれば一気に支持率が上がるのではないかと。それぐらいやりかねないと思わせる政治家の言動があるのだから危ない。主権在民は17~18世紀に市民革命で確立していた国々と違い日本の場合、昭和21年の戦後からだろう。明治の初め欧米の制度を取り入れたのに考え、精神は徳川幕府と同じだった教科書に載っているような連中が悪いといえば言えるだろうが日本に民主主義はなじまないという絶望的な現実が大きい。先の戦争の中枢にいた軍人が真っ先に政治家になったように今戦争法案を成立させた政治家も次の選挙では当選してくる。やたら名を出される岸は満州国の建国に関わり結果、幾万の人々に地獄の苦しみと消えることのない悲しみを与えたその責任はどうするのか。この国で歴史を主導するものがどちらなのか。もう間違った方向には行かせない。
それほど遠くない2030年代にはインドが人口、経済で世界一になる。2位の中国との対立は必至だろう。その時アメリカべったりの日本はどう対応するのか。単独で両国の間に入って平和に仲裁をする力量はあるのか。自分は器の小さいただの行商人で答えられないがそれを考えるのが政治家の本来の姿ではないのか。
米田正之
